このサイトでは、肥料を設計していた敷島が家庭菜園・市民農園で安全・安心・新鮮な野菜を育てるための上級ポイントを簡単に説明します。
野菜の栽培は、毎年収量が増加していますか、収量が上がらないので肥料を多く使っていませんか❓土が年々メタボ状態になっていませんか。『ゆかり農縁』では「ぼかし肥料」を使って、有機質を中心とした栽培を行っていましたが、土壌分析で少しメタボでしたので、私が設計した野菜栽培専用ハイブリット有機化成肥料≪愛菜物語みどり≫を使った栽培に変更しました。
さらに、土づくりとして、寒い時期に寒起こしをして微生物の餌、米ぬかを散布、微量要素肥料のFTEをも散布しています。
≪愛菜物語みどり≫は、20年以上前に家庭菜園や販売農家用に袋のデザインや肥料配合内容などを設計し、原料の確認や製造工程を確認した肥料です。現在も販売しています。
野菜は有機質をそのままの形では吸収できません。有機質は微生物によって分解され、最終的には硝酸態などのイオンという形で休されますので使い方が大事ですね。
愛菜物語みどり
開発の目的 誰でも野菜が美味しく、安全で安心して作れるように、基本の化成肥料888の窒素化成成分と有機化成をそれぞれ10%増量して10窒素-8リン酸-8加里にした化成と有機のハイブリット肥料です。
命名 商品名は、同じものがないように分類ごとに商標登録しています。愛菜はすでに取得されていいたので物語を付けています。肥料の種類が多いため、袋の色で注文する人が多かったことから、新規に独自開発した商品には商品名の後にそれぞれ色を付けて、販売を想定した7つの地区のシリーズ『虹のゆめ』を開発しています。
エピソード(曲がったキュウリ)
キュウリは真っすぐの方が使いやすいし、美味しそうですが、袋の写真のキュウリは曲がっています。デザインを依頼した業者が自身の家庭菜園のキュウリをデザイン的に良かったので使ったことから、曲がっています。この肥料を使ても曲がりません。
土づくり
農薬を使わない野菜づくりに必要な土づくりを教えてください。
野菜づくりのポイントは土づくりからです。土が悪ければ元気な野菜は育ちません。
土は、水はけがよく、水持ちがよいことが理想です。矛盾しています。
水はけがよく、水もちがよい土は「団粒構造」になっています。土は、粒子の細かい粘土と粒子の粗い砂の割合によって大きく異なります。団粒構造は、植物の根やミミズなど生物の作用によって土の粒が固まることにより、うまれます。化学肥料を少なくして堆肥などの有機物を使い、農薬を使わないことで可能です。
冬季に土をスコップ2つくらい深さで荒起こしするのもいいですね。
土壌診断
植え付け前に石灰や堆肥をまいていますが、どのようにしたらいいですか❓
シニアになると、年に一回は健康診断(人間ドック)することが大事です。私も検査で病気がみつかりました。
土壌も診断をすることで、適切な肥料の使用ができます。
PH
雨の多い日本では、雨によって土のカルシウムが流出され、土が酸性になる傾向があります。酸性土壌で育てていくと、根が傷んだり、リン酸分を吸収するのが難しくなります。
酸性土壌の中和には、苦土石灰や消石灰などを散布します。また、アルカリ土壌の中和には改良用土(ピートモスなど)や、「硫安」「塩安」「硫加」などの酸性肥料を土に入れます。
野菜には、それぞれ適したPHの範囲があります。ジャガイモなどはアルカリ性になると表面にニキビのようなブツブツが発生する『そうか病』になりやさくなるので、一般的に植え付け前に石灰を散布しません。
EC(電気伝導率)
窒素肥料の残存量がわかります。ECが高いほど養分量が多く残っています。
有効態りん酸
りん酸は、作物の生育や開花・結実、果実の甘味などに必要な養分で、有効態りん酸とは、植物が吸収できるりん酸が土の中にどのくらい含まれているかをあらわしています。
CEC(土壌の陽イオン交換容量)
陽イオン(カルシウムやマグネシウム、カリウム)をどの程度ふくんでいるかを表します。 陽イオン交換容量が高い土壌は、野菜づくりをするうえ適した土壌と言えます。
交換性石灰
石灰が多いとPHが高くなり、苦土やカリの吸収を阻害することがあり、苦土やカリの欠乏になりやすくなります。
交換性苦土
光合成によって炭水化物を製造する葉緑体に必要な要素で、苦土が不足すると葉が黄色くなるなどの症状が現れます。
交換性加里
光合成による炭水化物の生成に関与します。苦土と加里のバランスが逆転すると苦土が十分あるのに欠乏症になる。
土壌診断の結果、石灰が多く、アルカリ性ですので、植え付け前にいつも使っていた有機石灰の施用をやめ、 「硫安」「塩安」「硫加」 などを含んだハイブリット有機化成肥料を一部使うことにしました。
栽培裏技
農薬を使わないので、栽培の秘訣を教えてください。
コンパニオンプラッツ(相性のいい野菜)
畑にマリーゴールドがあるのは、ご存じですか。
マリーゴールドを植えると土壌中の線虫がいなくなります。
一緒に植えると、病害虫の発生が減る、雑草が減る、生育が促進されるなどの効果があるものをコンパニオンプラッツと言います。
病害虫を防ぐ組み合わせ
作物名 | 相性のいい野菜 | 期待できる効果 |
---|---|---|
ほうれんそう | 葉ねぎ | 害虫忌避・いちょう病を防ぐ |
きゃべつ | レタス | 害虫を防ぎ、雑草を促進を押さえる |
きゅうり | 長ねぎ | 害虫忌避・ 土壌病害を防ぎ、生育を促進する |
とまと | ニラ | 土壌病害を防ぐ |
ブロッコリー | レタス | 害虫を防ぎ、雑草を押さえる |
バンカープランツ(天敵を引き寄せる)
餌や隠れ場所を作って、天敵を引き寄せる植物を野菜のそばに植えるバンカープランツも効果があります。
天敵を引き寄せる植物
植物 | 野菜 | 天敵 | 対象害虫 |
---|---|---|---|
ソルゴー フレンチマリーゴールド | ナス | ヒメハナカメムシ類 | アザミウマ類 ハダニ類 アブラムシ類など |
オオムギ | ねぎ | ダニ類 | アザミウマ類 ヨトウムシ類など |